交通地理学の学界展望(2004年)

はじめに・学界展望とは?

世界には様々な学問(学び)の世界があります。これを「学界」といいます。その中のある程度、同じ学問を修めた人々がまとまって”学会”を成立させます。

学会は、学問や研究の従事者らが、自己の研究成果を公開発表し、その科学的妥当性をオープンな場で検討論議する場であります。

この学界の1年間の展望をまとめたものが学界展望になります。

地理学界では、人文地理学会の会誌『人文地理』において学界展望を掲載しています。

 会誌『人文地理』では,毎年第3号に「学界展望」を掲載しています。これは前年における人文地理学の動向を分野ごとにレビューするもので,他誌にはない特徴として好評を得ています。第59巻(2007)からは,「学界展望」で紹介した文献のリストを公開しています。

 - 「学界展望」文献リスト « 一般社団法人 人文地理学会

 

この学界展望に登場する論文をリスト化,筆者のコメントを簡潔にまとめなおしたものが本記事になります。

 

 交通地理学の学界展望・2004年

執筆者情報

森本 泉(もりもと いずみ)

所属:明治学院大学国際学部国際学科専任講師

学位:博士(社会科学) - お茶の水女子大学修士(地理学) - お茶の水女子大学

分野:観光地理学,ネパール地域研究

森本 泉 Morimoto Izumi | 国際学部

明治学院大学 研究者情報-明治学院大学 国際学部 国際学科 森本 泉

森本 泉 (Izumi Morimoto) - マイポータル - researchmap

 

 学界展望情報

人文地理における交通地理学の分類:交通・観光

人文地理における学界展望掲載巻号:57巻3号(2005年)

付記:特記なし

 

 学界展望文献目録

 2002年の学会展望「交通・観光」で両者の研究分野が隔たりつつある傾向が指摘されていたが,今年は組み合わせこそ変わらなかったが順序が変わって「観光・交通」となった.この変化の背景として,観光現象の質的規模的発展に伴い関心や意識が高まってきたことに対して,地理学において観光研究が多様化してきたと同時に,地域研究をはじめ政治・社会や文化地理等他分野においても観光現象への言及が増加してきたことが挙げられよう.

 

交通研究の成果は以上の観光研究に比して少ない.

青木栄一(2004):鉄道史研究と『鉄道省文書』.歴史地理学,46-4.

鉄道史研究の手法について

 

三木理史(2004):『近・現代 交通史調査ハンドブック』古今書院

地域研究の調査一般にも応用できる内容のものとなっている.

近・現代 交通史調査ハンドブック

近・現代 交通史調査ハンドブック

  • 作者:三木 理史
  • 発売日: 2004/11/01
  • メディア: 単行本
 

  

松本司(2004):祭祀空間と交通路 - 相模国北西部「鎌倉古道」の「三角辻」をめぐって.歴史地理学,46-1.

古代の交通路にみられる地名から祭祀空間の復元を試みている.

 

現状報告として1990年以降に相次いで開通した鉄道新線を紹介した「特集/鉄道新線開通」(地理49-8

 

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